BMW R65をベースにしたスクランブラーが、納車早々のトラブルをきっかけに大幅な再構築を経て生まれ変わりました。Side Rock Cyclesが手掛けたこの車両は、パワーユニットの見直しからブレーキ、サスペンション、電装系に至るまで現代基準へとアップデートされています。オーナーのキャンプツーリングという実用面も考慮された、機能美あふれる一台です。
詳細情報:トラブルが生んだ再構築のきっかけ
オーナーのAdrian氏は、中古で購入した改造済みのBMW R65を自ら約160km(100マイル)走らせてSide Rock Cyclesの工房まで届けるつもりでした。前オーナーの整備を信頼してのライドでしたが、道中でボルトが緩み、パーツが脱落するというアクシデントに見舞われ、最終的にはロードサービスのレッカー車の荷台に乗せられて工房入りするという、波乱の幕開けとなりました。 このトラブルが、単なる修理ではなく本格的なリビルドのきっかけとなった点が本プロジェクトの特徴です。Adrian氏はSide Rock Cyclesに対し、より高い出力、制動力の向上、サスペンション性能の改善、そして現代的な電子制御システムの搭載を要望しました。BMW R65が搭載するボクサーエンジンは信頼性の高さで知られますが、年式相応のコンディションでは現代の走行環境に対応しきれない部分もあり、足回りから電装系まで包括的な見直しが行われています。 さらにAdrian氏は夏場のキャンプツーリングも視野に入れており、完成車にはラゲッジスペースを確保する必要がありました。スクランブラーらしいスタイリングを損なうことなく荷物を積載できる構成を実現する点が、設計上の大きな課題となりました。
カスタムの見どころ・意義:機能性とスタイルの両立
このR65カスタムの見どころは、見た目のインパクトだけでなく「実用性への配慮」が随所に反映されている点です。スクランブラーらしいアップフェンダーやブロックタイヤ、タイトなシルエットを維持しながら、長距離ツーリングやキャンプ使用に耐える積載能力を両立させるのは容易ではありません。Side Rock Cyclesはフレームラインを崩さない範囲でラゲッジマウントを設計し、オフロード走行時の重心バランスにも配慮したレイアウトを採用したと考えられます。 また、ブレーキとサスペンションの刷新は、単なる見た目重視のカスタムではなく「走る・曲がる・止まる」という基本性能を現代水準に引き上げる狙いがあります。旧車ベースのカスタムバイクにおいて、このような走行性能のアップデートは見落とされがちですが、本プロジェクトではオーナー自身の実体験(トラブルによる故障)が設計思想に直接反映されている点が特徴的です。電子制御システムの導入により、始動性や安定性の向上も期待できます。 このように、ビルダーとオーナーの対話から生まれたカスタムは、単なるビジュアル重視のカスタムバイクとは一線を画す、実走行を前提とした完成度の高い一台に仕上がっていると言えます。
まとめ
BMW R65をベースにしたこのスクランブラーは、納車時のトラブルという予期せぬ出来事をきっかけに、Side Rock Cyclesによる本格的なリビルドへと発展しました。パワー、ブレーキ、サスペンション、電装系の総合的なアップデートに加え、キャンプツーリングを見据えたラゲッジ対応も実現しており、スタイルと実用性を高いレベルで両立させています。クラシックなボクサーエンジンの魅力を残しつつ、現代の走行シーンにも対応できる一台として、カスタムバイクファンにとって注目すべき仕上がりとなっています。