2020年、世界中のカスタムシーンでTriumphは圧倒的な存在感を放ちました。Bonneville系やScrambler、Speed Twinなど汎用性の高いベース車両を活かし、各国のビルダーが独自の解釈でデザートスレッドやストリートスリーパーを生み出しています。本記事では、その年を象徴する代表的な9台のカスタムTriumphを振り返ります。
Triumphカスタムの背景とベース車両
Triumphは1938年からの空冷パラレルツインの系譜を引き継ぎつつ、現代的なモジュラーシャシーと液冷エンジンを組み合わせたBonnevilleファミリーを展開してきました。Bonneville T100/T120、Street Twin、Scrambler 1200といったモデルは、クラシックなルックスと現代的な信頼性を兼ね備えており、カスタムビルダーにとって理想的な素体となっています。 2020年に紹介された9台は、砂漠を駆けるデザートスレッド仕様から、一見ノーマルに見えながら内部を徹底的にチューニングした「ストリートスリーパー」まで、方向性は多岐にわたりました。フレーム改造やサスペンションのアップグレード、排気系の一新に加え、タンクやシートのリシェイプによってシルエットを大胆に変更した個体も多く見られます。各ビルダーはTriumphが持つビンテージ由来のデザイン言語を尊重しつつ、オフロード性能やハンドリング特性を現代のライダーのニーズに合わせて再構築しています。
カスタムの見どころと意義
これら9台の共通点は、単なる外装変更にとどまらず、走行性能そのものを再設計している点にあります。デザートスレッド系のビルドでは、ロングトラベルサスペンションやノブタイヤ、軽量化されたサブフレームが採用され、オフロードでの走破性を大幅に向上させています。一方、ストリートスリーパー系のビルドは、外観をあえてスバル控えめに保ちながら、エンジン内部やキャブレター・インジェクションセッティングを最適化し、ライダーだけが知る「隠れた速さ」を追求しています。 こうしたアプローチの多様性は、Triumphというブランドが持つプラットフォームとしての懐の深さを証明しています。ビルダーたちはTriumphの歴史的アイデンティティ——1960年代のデザートレーサーやカフェレーサー文化——を現代の技術で再解釈し、単なる懐古趣味に終わらせない実用性と走行性能を両立させました。これは、カスタムシーンにおいてTriumphが単なる「素材」ではなく、ビルダーの創造性を刺激するインスピレーション源であることを示しています。
まとめ
2020年に登場した9台のカスタムTriumphは、デザートスレッドからストリートスリーパーまで幅広い方向性を示し、ブランドの汎用性と奥深さを改めて浮き彫りにしました。ビルダーたちはBonnevilleやScramblerといったベース車両を土台に、外観と性能の両面で独自の解釈を加え、Triumphというブランドの新たな可能性を提示しています。これらのビルドは、クラシックとモダンが融合した現代のカスタムバイク文化を象徴する存在といえるでしょう。