BMWのR 12 G/Sをベースに、ドイツのClassicbike-Raischがスーパーモト仕様のカスタム「SUMO」を製作しました。レトロなエンデューロ然としたR 12 G/Sを、軽量かつ攻撃的な走りを重視した1台へと大胆に作り替えています。ビルダー自身がサーキットでスーパーモトを走らせてきた経験を、そのままシャフトドライブの大排気量ボクサーツインに落とし込んだ意欲作です。
詳細情報:ベース車両とビルダーの背景
BMWは長年にわたり高性能なモデルを送り出してきましたが、いわゆる「フーリガンバイク」的な過激さは、ブランドの伝統的な文脈にはほとんど登場しませんでした。スーパーモトはさらにその対極にあり、通常は軽量なオフロードバイクをベースに作られるジャンルであり、シャフトドライブを備えた1200ccのボクサーツインとは縁遠い存在です。 しかし、Classicbike-Raischを営む3兄弟は、自身がサーキットでスーパーモトを走らせ、深いバンク角を攻める経験を長年積んできました。そこで得たノウハウを大排気量のBMWに応用したいという構想を以前から抱いており、新型R 12 G/Sの登場によって、ついに理想のドナー車両が手に入ったのです。 このプロジェクトは顧客からの依頼でも、カタログのページを増やすためのスタイリング企画でもありません。Yannicとその兄弟たちが共同で経営するClassicbike-Raischは、BMWのHeritageレンジやTriumphのModern Classics向けカスタムパーツの開発・販売を手がけながら、印象的なワンオフモデルの製作も行っている工房です。今回のR 12 G/Sは、彼ら自身のライディング経験から生まれた、いわば「作りたかった1台」なのです。
カスタムの見どころ・意義
このSUMOカスタムの最大の見どころは、一般的なアドベンチャーバイク化とは真逆のアプローチを取っている点です。多くのビルダーがR 12 G/Sを見て「レトロなエンデューロ」としてのポテンシャルに注目する中、Classicbike-Raischは車重を増やすどころか、余分な装備を削ぎ落とし、テクニカルで軽快な走りを追求しました。 スーパーモトというジャンルは、本来オフロードバイクの車体にオンロード用ホイールとブレーキ、サスペンションセッティングを組み合わせ、サーキットでの鋭いハンドリングを実現するカテゴリーです。これを1200ccのボクサーツインという大排気量・シャフトドライブの車両に適用することは、パッケージング上も大きな挑戦だったと考えられます。エンジンの重心やシャフトドライブ特有の挙動を踏まえたセットアップの見直しは、単なる外装変更ではなく、走行性能そのものに踏み込んだカスタムであることを示しています。 BMWのボクサーエンジンならではのトルク感と、スーパーモトのシャープなハンドリングという、通常であれば相反する要素を1台にまとめ上げたバランス感覚こそが、このSUMOの真の価値といえるでしょう。
まとめ:要点整理
Classicbike-RaischによるBMW R12 G/S「SUMO」は、新型R 12 G/Sをスーパーモト仕様へと大胆に再構築したカスタムモデルです。ビルダー自身のサーキット経験を反映し、軽量化とテクニカルな走行性能を重視した点が最大の特徴となっています。一般的なアドベンチャー化とは逆方向のアプローチを取ることで、BMWの大排気量ボクサーツインの新たな可能性を提示した1台といえます。