Purpose Built Motoを率いるTom Gilroyは、これまで数々の傑作カスタムをBike EXIF上で披露してきたビルダーです。今回紹介するのは、1980年代にDucatiがレース参戦用に製作したTT1をオマージュし、公道走行可能な仕様へと仕立て上げたレプリカです。往年のレーシングマシンの精悍なスタイルを再現しながら、現代の公道基準に適合させた点が最大の特徴となっています。
Ducati TT1の歴史的背景とベース車両のスペック
Ducati TT1は、1980年代にプロダクションレースクラスで活躍したモデルで、当時のDucati製バイクの中でも特に硬派なレーシングマシンとして知られています。空冷Vツインエンジンを搭載し、シンプルながら機能性に優れたシャシー設計が特徴でした。今回のレプリカ製作にあたり、Tom Gilroyはベースとなる車両にDucatiのクラシックなVツインエンジンを搭載したモデルを採用し、オリジナルTT1のプロポーションを忠実に再現することを目指しました。 フレーム周りは当時のレーシングスタイルを踏襲しつつ、現代の材料技術を活かして剛性と軽量性を両立させています。フロントフォークやリアサスペンションもクラシックな外観を保ちながら、実用面での走行性能を確保する工夫が施されています。単純な見た目の再現に留まらず、実際に公道を走ることを前提とした設計思想が貫かれている点が、このビルドの大きな魅力といえるでしょう。
カスタムの見どころとビルダーの技術力
このDucati TT1レプリカで最も注目すべきは、レーシングマシンとしての機能美を保ちながら、公道走行に必要な保安部品を違和感なく組み込んでいる点です。ウインカーやテールランプ、ナンバープレートホルダーなどは、オリジナルのシルエットを損なわないよう細部まで配慮されており、Tom Gilroyの職人技が光ります。 タンクやシートカウルの造形も見どころの一つです。当時のTT1が持っていた流麗なラインを再現するため、金属パネルを一枚一枚手作業で成形していると考えられ、単なる既製品の組み合わせでは到達できない完成度に仕上がっています。カラーリングについても、Ducatiのレーシングヘリテージを感じさせる配色が採用され、走行時の躍動感を演出しています。 またマフラーやエキゾーストシステムも、レーシングマシンらしい迫力ある外観と、公道走行に適した排気音量・排出ガス性能のバランスを取るよう設計されているものと見られます。こうした細部への配慮の積み重ねが、Purpose Built Motoのカスタムバイクが高く評価される理由の一つです。
まとめ
Purpose Built MotoのTom Gilroyが手掛けたDucati TT1レプリカは、1980年代のレーシングマシンへのオマージュを公道仕様として実現した意欲的な一台です。歴史的なデザインを忠実に踏襲しながら、現代の公道基準に対応させる技術力は、多くのバイク愛好家にとって注目に値するものといえます。クラシックレーサーの美学と現代的な実用性を融合させたこのビルドは、カスタムバイクの新たな可能性を示す好例です。