BMWがR12 G/Sを発表した際、同社のデュアルスポーツラインナップに興味深いパラドックスが生まれました。ドイツのカスタムビルダーWoidwerksは、このモデルに独自の解釈を加え、キャニオンカービングに特化したカスタムマシンを製作しました。オフロード性能を抑え、ワインディングロードでの走りを追求した一台です。
BMW R12 G/Sの特徴とWoidwerksのアプローチ
BMW R12 G/Sは、伝統的なGSシリーズとは一線を画すモデルとして登場しました。大型のR1300 GSと比較すると、よりコンパクトで軽量、そしてアクセスしやすい価格帯に設定されています。空冷式の1,170ccボクサーエンジンを搭載し、最高出力は109馬力を発揮します。 Woidwerksの創設者であるSebastian Feldmairは、このR12 G/Sに対して明確なビジョンを持っていました。彼のアプローチは、デュアルスポーツとしての汎用性を維持しながらも、舗装路でのパフォーマンスを最大限に引き出すことでした。「このバイクはオフロードでも走れるが、真の輝きを見せるのはワインディングロードだ」とFeldmairは語っています。 カスタムの基本方針は、オフロード装備を最小限に抑え、オンロード性能を高めることです。純正のR12 G/Sが持つアドベンチャーバイクとしてのアイデンティティを残しつつ、よりスポーティで軽快な走りを実現するための改造が施されました。
カスタムの詳細と走行性能の向上
Woidwerksのカスタムで最も目を引くのは、大胆なビジュアル変更です。フロント周りには、BMW R nineT Racerから流用したフロントフェアリングとヘッドライトを装着。これにより、クラシックなカフェレーサースタイルの外観を獲得しました。 サスペンション面では、Öhlins製のフロントフォークとリアショックに交換され、ハンドリング性能が大幅に向上しています。ブレーキシステムもアップグレードされ、Bremboのマスターシリンダーが採用されました。ホイールはKineo製のスポークホイールに変更され、Metzeler Karoo 4タイヤを装着することで、オンロードとオフロードの両方に対応しています。 エキゾーストシステムはRemus製のカスタム2-in-1マフラーに交換され、軽量化とサウンドの向上を実現。エアインテークシステムも最適化され、エンジンのレスポンスが改善されています。 細部にわたるカスタムも見逃せません。ハンドルバーはLSL製に交換され、より攻撃的なライディングポジションを実現。シートはWoidwerksのオリジナルデザインで、快適性とスタイルを両立させています。燃料タンクは純正を維持しながらも、カスタムペイントが施されました。
まとめ
WoidwerksによるBMW R12 G/Sのカスタムは、デュアルスポーツバイクの新たな可能性を示す作品です。オフロード性能を犠牲にすることなく、ワインディングロードでの走行性能を大幅に向上させることに成功しています。Öhlinsのサスペンション、Bremboのブレーキ、そしてRemusのエキゾーストシステムといった高品質なパーツの選択により、純正モデルとは一線を画す走行体験を提供します。このカスタムは、BMWのボクサーエンジンが持つポテンシャルを最大限に引き出し、キャニオンカービングという特定の用途に特化させた好例と言えるでしょう。Woidwerksの技術力とデザインセンスが光る一台です。