ベルギーのBrice Hennebertは、現在Workhorse Speed Shopとしてレースインスパイアードなマシンを製作していますが、その前身となる工房Kruz Companyでの未完成プロジェクトがありました。それがこのTriumph Speed Triple 1050です。友人との円満な別れの際に積み残しとなったこのバイクを、Briceは改めて完成させることになりました。
プロジェクトの背景と経緯
Briceと元パートナーは数年前、Kruz Companyという工房を共同で運営していました。2人のベルギー人ビルダーは円満に別れましたが、1台の犠牲となったバイクがありました。それがこのSpeed Tripleです。当時、2人は協力してこのバイクのカスタムプロジェクトに取り組んでいましたが、工房の解散により作業は中断。長い間未完成のまま放置されることになりました。 その後、Briceは独立してWorkhorse Speed Shopを立ち上げ、レーシングマシンからインスピレーションを得たカスタムバイクの製作に専念するようになりました。そんな中、過去の未完成プロジェクトを完成させる機会が訪れます。かつての相棒とともに始めたSpeed Tripleのカスタムを、今度は自身の手で完結させることを決意したのです。
カスタムの特徴と仕上がり
Workhorse Speed Shopのスタイルは、レーシングマシンの機能美とストリートバイクの実用性を融合させることにあります。このSpeed Triple 1050も例外ではありません。ベース車両が持つ3気筒1050ccエンジンのパワフルな特性を活かしつつ、よりアグレッシブで洗練された外観に仕上げられています。 カスタムでは、車体の軽量化とハンドリングの向上が重視されました。不要なパーツを削ぎ落とし、レーシーなフォルムを実現しています。フロント周りはスポーツバイクらしいシャープな印象に改められ、リア部分もスリムにまとめられました。サスペンションやブレーキシステムにも手が加えられ、サーキット走行にも対応できる性能を獲得しています。 カラーリングとディテールにもWorkhorse Speed Shopらしいこだわりが見られます。シンプルながら力強さを感じさせる配色、そして細部まで計算されたパーツ選択により、統一感のある仕上がりとなっています。かつて2人で思い描いたビジョンを、Briceは自身のスタイルで昇華させたのです。
まとめ
Workhorse Speed ShopによるこのSpeed Triple 1050は、単なるカスタムバイクではなく、ビルダーとしての成長の軌跡を象徴する1台と言えます。Kruz Company時代の未完成プロジェクトを、独立後のWorkhorse Speed Shopとして完成させたことで、Brice Hennebertのビルダーとしての進化が表現されています。レースマシンからインスピレーションを得た機能的なカスタムアプローチは、現代のカスタムシーンにおいても高く評価される方向性です。過去と現在をつなぐこのプロジェクトは、ビルダーの情熱と技術力の証明となりました。