イタリアの彫刻家Giordano Loiが、2008年式Yamaha MT-01を大胆なストリートファイターへと変貌させました。カーボンファイバーボディワークを纏い、オリジナルよりも遥かに攻撃的な仕上がりとなったこのカスタムは、芸術家ならではの感性が光る一台です。
誤解されたバイク、MT-01の本質
Yamaha MT-01は2005年の登場当初から、相反する2つのデザインコンセプトが混在したバイクとして受け止められてきました。その心臓部には、1670ccのVツインエンジンが搭載されています。このエンジンはYamahaのクルーザーモデル「XV1700 Road Star」から流用されたもので、圧倒的なトルクを誇ります。しかし、そのパワーユニットとは対照的に、車体はネイキッドスポーツとしてデザインされており、この組み合わせが市場での評価を複雑なものにしました。MT-01は純粋なパフォーマンスマシンとしても、快適なクルーザーとしても中途半端な存在と見なされ、商業的には成功を収めることができませんでした。
彫刻家が見出した新たな可能性
イタリアの彫刻家Giordano Loiは、このMT-01に秘められた可能性を独自の視点で捉え直しました。彼のビジョンは、このバイクを過激なストリートファイターへと変貌させることでした。最も印象的なのは、完全にカスタムメイドされたカーボンファイバー製のボディワークです。フロントカウル、タンクカバー、サイドパネル、そしてテールセクションに至るまで、すべてが彫刻家ならではの流麗なラインで構成されています。 カーボンファイバーの採用により、大幅な軽量化を実現しただけでなく、視覚的にもレーシーで攻撃的な印象を与えています。フロント周りは完全に再設計され、シャープなカウルが風を切り裂くような造形となっています。テールセクションは極限まで削ぎ落とされ、ミニマルでスポーティな仕上がりです。 サスペンションとブレーキシステムにも手が加えられ、よりスポーツ走行に適した設定となりました。ハンドルバーはセパレートハンドルに変更され、前傾姿勢を強いるライディングポジションへと変更されています。これにより、クルーザー由来のエンジンを持ちながらも、明確にスポーツバイクとしてのキャラクターが確立されました。
まとめ
Giordano LoiによるMT-01のカスタムは、誤解され続けたバイクに新たな命を吹き込んだプロジェクトと言えます。彫刻家としての感性を活かしたカーボンファイバーボディワーク、スポーツ走行を意識した足回りの変更、そして攻撃的なストリートファイタースタイルへの変貌。これらすべてが、MT-01が本来持っていたポテンシャルを最大限に引き出しています。商業的には成功しなかったバイクでも、才能あるビルダーの手にかかれば、唯一無二の魅力を放つカスタムバイクへと生まれ変わることを証明した一台です。