フランスのビルダーJerem Motorcyclesが、Kawasaki ZRX1200をベースに漆黒の異形マシンへと作り替えました。テレビ番組にも出演した個体を完全ばらしし、フレームからエンジンまで徹底的に手を入れた本格プロジェクトです。Ducati製スーパーバイクのフロントエンドやフューエルインジェクション化など、ビジュアルだけでなく走行性能にも妥協のない仕上がりとなっています。
Kawasaki ZRX1200というベース車両について
Kawasaki ZRX1200は、1990年代から2000年代にかけて生産された「古き良きマッスルバイク」を体現する存在です。空冷4気筒エンジンと無骨なスタイリングを持ち、ネイキッドバイク愛好家から根強い支持を得てきました。今回ベースとなったのは2001年式のフルノーマル個体で、フランスのAuto-Moto channelで放送されたテレビ番組のシーズン2にも登場した経歴を持つ車両です。 ビルダーのJeremは約1年前、Thorn BikesのFranck氏からこの個体を購入。しかし、テレビ出演という華やかな経歴はプロジェクトが始まると同時に意味を失いました。Jeremはこの車両を余すところなく完全分解し、ナット一本、ベアリング一つに至るまですべてを新品に交換。裸になったフレームは徹底的にオーバーホールされ、黒く再塗装されました。さらにエンジンも内部・外部ともにフルリビルドされ、車体の骨格そのものがほぼ新品同様の状態にまで作り込まれています。
カスタムの見どころ・意義
本作最大の見どころは、その名の通り「ダース・ベイダー」を彷彿とさせる漆黒のダークな佇まいです。しかし、単なる見た目のテーマ性にとどまらず、その内側には本格的なメカニカルチューニングが施されている点こそがJerem Motorcyclesらしいこだわりといえます。 フロントエンドにはDucati製スーパーバイクのコンポーネントが移植され、旧来のZRX1200とは一線を画す剛性とハンドリング性能を実現。さらに高品質パーツ群の投入に加え、キャブレターからフューエルインジェクションへのコンバージョンを実施することで、エンジン本来のポテンシャルを最大限に引き出しています。 外観のテーマ性と機械的な作り込みを両立させる姿勢は、単なるドレスアップにとどまらないカスタムビルダーとしての矜持を感じさせます。フレームからエンジン、足回りに至るまで一切妥協せず作り込む姿勢は、ベース車両であるZRX1200が持つ「マッスルバイク」としてのポテンシャルを、現代的な水準まで引き上げることに成功していると言えるでしょう。
まとめ
Jerem Motorcyclesが手がけたKawasaki 1200 ZRX「Darth Vader」は、テレビ出演歴を持つノーマル個体を土台に、フレーム・エンジンの完全リビルド、Ducati製フロントエンド移植、フューエルインジェクション化という本格的なメカニカルチューニングを施した渾身の一台です。ダークなビジュアルテーマの裏に隠された妥協なきエンジニアリングこそが、本作の真の価値といえます。旧車ベースのカスタムでありながら、走行性能まで大幅に向上させたこの一台は、多くのバイク愛好家にとって注目すべき事例となるはずです。