Honda NX650、通称「ドミネーター」は決して人気車種として語られることの多いモデルではありませんが、その無骨なシングルシリンダーエンジンには根強いファンが存在します。ドイツのカスタムビルダーHB-Customは、このNX650を素体にスーパーモタード仕様の一台を完成させ、サムパー(単気筒)エンジンの新たな魅力を引き出しました。武骨さと軽快さを両立させたこの一台は、旧車ベースのカスタムシーンに一石を投じる仕上がりとなっています。
詳細情報:Honda NX650というベース車両
Honda NX650は1988年から2000年代初頭まで生産されたシングルシリンダーのデュアルパーパスモデルで、通称「ドミネーター」として知られています。空冷SOHC単気筒エンジンを搭載し、頑丈なフレームとシンプルな構造が特徴で、世界各地でカスタムベースとして根強い支持を集めてきました。派手さこそありませんが、軽量な車体と扱いやすいパワー特性から、オフロードやモタード系のカスタムに向いた素材として評価されています。 今回HB-Customが手がけた個体は、この地味ながらも実直なNX650のポテンシャルを最大限に引き出すべく、フレームからサスペンション、ホイールまで大幅な変更が加えられています。スーパーモタード仕様に仕立てるにあたり、オンロードでの俊敏なハンドリングを実現するためのジオメトリー調整も施されており、単なる外装変更にとどまらない本格的なリビルドとなっている点が注目されます。
カスタムの見どころ・意義
HB-Customの今回のビルドで特筆すべきは、スーパーモタード専用のホイールセットとブレーキシステムの採用です。オンロード走行時の俊敏性を高めるため、軽量なアルミホイールとハイパフォーマンスなブレーキキャリパーが組み込まれ、ストリートでの機動力が大幅に向上しています。加えて、シートカウルやタンクシュラウドは削ぎ落とされたミニマルなデザインに再構築され、NX650本来の武骨さを残しながらもモダンな印象を与えるスタイリングに仕上がっています。 エンジン単体としては控えめな存在であるNX650ですが、HB-Customはこの単気筒エンジンの鼓動感をあえて主役に据えることで、パワー競争とは異なる価値観をカスタムシーンに提示しています。過剰な装飾を排し、走行性能と実用性を両立させたバランス感覚は、同ビルダーの持つエンジニアリングへの知見の深さを物語っています。サスペンションセッティングやサブフレームの補強など、見た目だけでなく走行フィーリングにまで踏み込んだ仕上げは、単なるルックス重視のカスタムとは一線を画すものです。
まとめ
Honda NX650をベースにしたHB-Customのスーパーモタード仕様は、地味な存在とされがちな単気筒モデルの魅力を再発見させてくれる一台です。フレームワークからホイール、ブレーキまで手を加えた本格的なリビルドは、外装だけでなく走行性能にもこだわり抜いた証といえます。派手さよりも本質を追求するカスタムのあり方を示す好例として、多くのバイクファンの参考になる仕上がりです。