ポルトガルのカスタムビルダーHoly Moly Motorcyclesが、Yamaha Ténéré 700をベースにした新作「XT700」を発表しました。Yamahaの名車XT500の哲学を現代のハードウェアに適用したらどうなるか、という問いに対する同ビルダーの回答がこのマシンです。プラグアンドプレイのレトロキット開発で知られる彼らが、4年ぶりにフルカスタムバイク製作の原点に立ち返った意欲作となっています。
XT500の哲学を受け継ぐコンセプト
1976年に発売されたYamaha XT500は、プラットフォームやパーツ共有が業界標準となる以前のシンプルな時代のバイクと思われがちですが、実際は全く逆の発想から生まれました。競技用マシンTT500のロードゴーイング版として設計されたXT500は、実績ある機械パッケージを軽量化し、通勤からトレイル走行、そして後に歴史が証明したようにダカールラリーまで対応できる汎用性の高いモデルでした。 Holy Molyの創設者Francisco Menezesは、この50年前の設計思想を現代に蘇らせることを目指しました。すでに実績のあるプラットフォームを活用し、用途を限定しない多目的性を持たせるという考え方は、まさにオリジナルXT500と同じアプローチです。ベース車両のTénéré 700は、その実用性と信頼性で世界中のライダーから支持されているミドルクラスアドベンチャーバイクであり、XT700のベースとして最適な選択といえるでしょう。
Holy Molyのクラフトマンシップ
Holy Moly Motorcyclesは、これまで数年にわたりTénéré 700に乗り、レースで走らせ、改良を重ねながらプラグアンドプレイ式のレトロキットを開発してきました。そのノウハウの蓄積があったからこそ、今回のXT700は単なるスタイリング変更にとどまらない、実用性を伴ったカスタムマシンとして完成しています。 Franciscoは4年間Ténéréプラットフォームに集中した後、フルカスタムバイク製作というHoly Molyの原点に戻りたいと考えました。XT700はその想いが結実した作品であり、「もしYamahaが現在のハードウェアにオリジナルXTの哲学を適用したら、現代のXTはどんな姿になるのか」という問いへの明確な答えとなっています。レトロなルックスと現代的な性能を両立させたこのマシンは、Holy Molyの技術力とデザインセンスの高さを証明する一台です。
まとめ
Holy Moly MotorcyclesのXT700は、Yamaha Ténéré 700をベースに伝説的なXT500の哲学を現代に再解釈したカスタムバイクです。プラグアンドプレイキットの開発で培った豊富な経験を活かし、ポルトガルのビルダーがフルカスタム製作の原点に回帰して生み出した意欲作となっています。実用性とスタイルを高次元で融合させたこのマシンは、カスタムバイクシーンに新たな可能性を示す作品といえるでしょう。