MAGURA油圧クラッチ”HYMEC”|SR400/SR500

SR400/SR500のいくつかの弱点の中でも、存在感の大きいものとして左手のクラッチ操作のタフさがあげられますが、プッシュレバー、プッシュロッドなどの整備や交換を適正に行ったうえで、カスタムパーツでの解消としてマグラの油圧クラッチキット(HYMEC)の導入をおすすめします。
比較的高価なパーツと思われがちですが、工業製品としての質が高く、導入メリットを考えるとコストパフォーマンスがめちゃめちゃ高いのです。
このエントリではSR400用マグラ油圧クラッチキット(HYMEC)について解説したいと思います。

SR400/SR400FI/SR500におけるマグラ油圧クラッチ(HYMEC)カスタムのメリット

  • ワイヤー式の機構でないため定期的な調整、注油などのメンテナンスが不要。ワイヤーの伸びや錆など劣化など影響を受けず、常に操作フィールが一定です。
  • クラッチ板、プッシュロッドの消耗に対して必要なオイルがリザーバタンクから自動的に送り出されるため、レバー側の操作ポイントは変動しません。
  • 油圧式なので摩擦による余分の負荷が無く10%以上レバーを引くための握力が軽減されます。
  •  ワイヤーの伸びなど伝達ロスが無いのでよりダイレクトな操作感が得られます。
  • DIYカスタムは初挑戦という方にもおすすめします。簡単に取り付け可能です。

SR400/SR400FI/SR500マグラ油圧クラッチ(HYMEC)は本当におすすめです

ヤマハSRのクラッチについて

SR400パーツリスト画像クラッチ関連

クラッチレバーからスプロケットまで、その機構に一切のベアリングを持たない構造のヤマハSRのクラッチ。
プッシュロッドの摺り合わさる部分、クラッチ板を押す部分、どこかに一つスラストベアリングが奢られていたら、多少は消耗が抑えられたのかもしれません。
2010年のSR400FIからは軽いスプリングへの変更がされましたが、ビッグシングルのトルクを受け止める必要性からか、相応の握力を求められる仕様と言えます(適切に整備されたヤマハSRのクラッチはそもそもそれほど握力は求められません、と先にお断りしておきますが…)。
クラッチが重い、切れないとお悩みの場合はまずプッシュレバーとプッシュロッドの摩耗を確認し、必要に応じて交換することが最優先になります。

ヤマハSRを降りてしまう理由…

ヤマハSRにそれほど極端なスピードを求めるオーナーは少数でしょう。
求められるのは適切なスピードで楽しめるトコトコとしたトルク感。つまり走行を楽しむためには適切なギア選択が肝心ですが、クラッチが重く、ギアチェンジが億劫になるとその楽しみは苦行に変わります。
オーナーさんがヤマハSRを降りる理由の一つはクラッチの整備不足が原因で楽しく乗れなくなった、が少なくないのではないかと思っています。

操作性・安全性の観点から

オートバイに求める快楽は様々ですから、くそ重たいクラッチ操作に硬派でスパルタンなイメージを投影するのも自由。
ただ、クラッチ操作は駆動力の伝達の調整というスピードコントロールの重要な部分に関与してますので進む、曲がる、止まる、といった根源的な挙動はストレスなく咄嗟の行動がとれることが最低限です。
特にヤマハSRをセパハンに変更している場合、右折の小回りの際にクラッチが遠く、腕が伸びることで握力が効かせにくいシチュエーションになりがちです。
正直、不安に感じることはなかったですか?
ヤマハSRは弄れば弄るほど遅くなる、乗りにくくなる、と言われる所以の一つです。
セパハンは乗りにくいもの、という変な納得をする前に先にクラッチを整備しましょう。

マグラ油圧クラッチ導入の優先順位

クラッチ整備をおすすめしているのか油圧クラッチ導入をおすすめしているのかよくわからないエントリになってしまいましたが、まずクラッチの部品を新しくしたうえで導入するのが順序だと思っています。
ヤマハSRはもう新車が出ないので、これから購入するオーナーさんは基本的に中古車を探すことになるでしょう。
シートにまたがり、ハンドルを握り、当然クラッチもチェックすると思うんですが、たとえ現車を確認したとしてもほぼ暖かくなっていない状態のエンジンでは、いくらニギニギしても本当のクラッチの切れはチェックできません。
ワッシャを追加するなどの小手先の方法でクラッチの引きを良いように誤魔化すことは比較的簡単に出来てしまいます。そしてマグラ油圧クラッチもまた、「クラッチの切れを良く見せるため」に使われてしまったりもします…
まずクラッチ周りの部品を新しくする、適正なクラッチの軽さを知っていただいてから、さらに快適を求めたり、セパハンカスタムのデメリットを解消したり、というアップグレードのために導入していただければいいなあと思います。

SR400/SR400FI/SR500マグラ油圧クラッチ(HYMEC)の仕様について

つらつらと書き連ねましたが、冒頭にお伝えした「コストパフォーマンス」とは安全、かつ楽に乗り続けるためのコストとしてマグラ油圧クラッチ(HYMEC)導入コストは全然高くないのです。
楽しめなくなったらヤマハSRに乗る意味がない。もっとコンビニエンスなバイクはいくらでもあり、乗り換えるのも簡単ですが、乗り換えるぐらいなら整備代、パーツ代のほうが安価に済むケースも多いと思います。

製品の仕様について

私が取り扱っているマグラ油圧クラッチキット(HYMEC)は167HYMECという2024年3月時点では最新のパーツ構成のものになります。
ケーブルの長さは、マウント部分から最長(スレーブシリンダーが伸びている状態)で120cm。
純正ハンドルであれば過不足無い長さですが、セパハン仕様のヤマハSRだと取り回しに一工夫が必要です。高強度のカーボン製ホースは根元の部分は曲がりにくいのでライト、ライトステーと干渉する位置取りになることも多く、フィッティングにライト周りをまるっと着脱する作業が求められるかも知れません。
デコンプ用のレバーはクラッチレバーの上部に位置し、これはクラッチレバーと共締めされているので不要であれば簡単な作業で取り外すことができます。

注意事項

取り扱いの注意事項として、入手してから取り付けるまで、スレーブシリンダーを手で引っ張り、伸ばすのはOKですが、手で押し込むのは絶対にしないこと。
縮めたい場合にはレバーを引き、油圧の力でレリーズを引っ張るようにしてください。
シリンダー内部のシールは押される圧力に耐えられないので破損の原因になります。

当ブログでのSR400/SR400FI用マグラHYMECの販売について

https://buccoworth.stores.jp/でも、マグラ油圧クラッチキットを販売しています。
日本で一番お安く提供することを目標に、ご注文をお受けしていますが、為替の急激な値動き等で仕入れ価格が変動し、他店様の方が安価といった状況になってしまうこともあります。
そういった場合でも、まずネットショップでお問い合わせ頂ければ対応できることもあると思いますので、是非ご検討ください。商品はこちらから